大ヒット上映中の『コードギアス 亡国のアキト』第4章「憎しみの記憶から」の生コメンタリー付上映会が7月16日、新宿バルト9にて開催された。7月9日に行われた「スタッフトークショー付上映会」に続き、会場には多くのファンが駆け付け、これまで明かされなかったエピソードや各シーンの裏側に聞き入った。
会場には、監督・赤根和樹さん、キャラクターデザイン・木村貴宏さん、総作画監督・島村秀一さんが盛大な拍手に包まれながら登壇し、映画を観ながらの生コメンタリーがスタートした。
まず冒頭で登場したフロートシステムについて司会進行役を務めるサンライズ・谷口廣次朗さんから「なぜ自動防御システムの壁をフロートシステムで飛び越えないんですか?」の質問に対して赤根監督は「1度きりの使い切りで、長距離には向いていないシステムだから」と隠された仕組みの裏側を丁寧に明かしてくれた。
序盤から熾烈なバトルを繰り広げる大型飛行艇ガリア・グランデでの戦いでは、思わずコメンタリーを忘れて見入ってしまう登壇者たち。『亡国のアキト』シリーズの戦闘シーンのコンセプトについて聞かれた赤根監督は「『亡国のアキト』では、映画館で観ることを前提にアミューズメントパークのように楽しんでもらえるように作っています」さらに「1章~3章まで制作して、だいぶ技術が蓄積してきたおかげでもある」と前作を必ず超えてくる大迫力のメカアクションについて真摯に語ってくれた。
本編が中盤に入るとトークはさらにヒートアップ。枢木スザクとジュリアス・キングスレイが牢屋にいるシーンについて赤根監督は「(2人は)捕まったから武器を隠せないよう下着だけの格好にしようと思ったけどあまりに情けないからって、スタッフのみんなに止められてさ」とコメントし会場内は笑いに包まれた。同じシーンについて木村さんは「ひまわりが映るシーンでジュリアスがスザクを呼ぶところは、何だか意味深なんだよね…」と5章でも登場する2人の今後を匂わせるようなコメントも残していた。
そして本編は終盤へ。作画で苦労したシーンについて聞かれた島村さんは「各章で描かれている国民の群衆シーンは、細かい所まで描いています」と語り「一見流されてしまう場面ではあるが、手を抜くと安っぽくなるので」と総作画監督としてのこだわりとプライドをアツく語ってくれた。
さらにシンとレイラの交渉シーンになると「E.U.側はコートを着てないのにユーロ・ブリタニア側はコートを着ているのは、科学技術の格差を描いていて(E.U.側は)発展が進んでいるから薄着でも温かいから大丈夫なんです」と赤根監督自ら裏設定を暴露した。
会場内からは深い関心の声が上がり、『亡国のアキト』の奥深さが見受けられた。
本編の上映が終了してもなお、ゲストたちのアツいトークは続く。
島村さんは「レイラとアンナが着ているコートの結び目が微妙に違っていたり、レイラが身に付けている黒い手袋には刺繍があります」と本編上映中では言い切れなかった細か~いトリビアも明かしてくれた。
最終章に向けて見所を聞かれた赤根監督は「全てのキャラクターに愛着があるから、ちゃんと全員にエンディングを用意するので、注目して下さい」。
木村さんは「クラウス・ウォリックが『この城を戦場にしたくはないな…』としみじみ言っていたので、どうなっちゃうのか気になりますね」。
島村さんは「アキトとレイラはもちろん、ワイヴァン隊が今後どうなるのか気になりますね」と今出せるギリギリのコメントを会場にいるファンのために語ってくれた。
最後に登壇者から2016年2月6日上映の最終章についての意気込みが観客へ伝えられた。
島村さんは「満足いくような作品が出来るようにスタッフ一同頑張っていますので、もうしばらくお待ち下さい」。
木村さんは「新しいエンディング曲でも分かるように、きっと赤根監督は悪いようにはしない最後まで観て良かったと思えるような作品になると思うので、楽しみにお待ち下さい」。
そして最後に赤根監督は「こんなに大勢の方々が今回集まってくれて光栄です、ラストに向けて皆さんの期待に応えられるように頑張っております。本日はありがとうございました」と本日のイベントを締め括った。
大ヒット上映中の『コードギアス 亡国アキト』第4章「憎しみの記憶から」のスタッフトークショー付上映会が7月9日、新宿バルト9にて開催された。前作の第3章でも開催され好評を博した本イベントは平日の夜にも関わらずチケットは完売、会場は満席となった。今回は第4章の知られざる制作時の裏側や秘話が語られたスタッフトークショーの模様をレポートする。
ステージには監督・赤根和樹さん、キャラクターデザイン・木村貴宏さん、総作画監督・島村秀一さん、3DCGアニメーションディレクター・井野元英二さんが登壇し、序盤からフルスロットル全開の熱いトークショーは幕を開けた。まず大型飛行艇ガリア・グランデでの戦闘シーンについて聞かれた赤根監督は「地上ではあるけど無重力を感じさせられるような空間とスピード感を意識した」とコメント。さらに「大きなスクリーンで見てもらう良さを井野元さんと相談しながら作り上げた」と語った。それに対して井野元さんは「実は第2章のトークショーの帰り道の車中で、赤根監督からこのシーンの構想を聞いていた」と語り、迫力満点の戦闘シーンの構想秘話を明かした。また、戦闘シーンについては「縦横無尽に走り回るアレクサンダのカメラワークを工夫したり、制作時に映像をコマ送りすると『こんな工夫をやっているんだっ!』と自分でも驚くところがあり、皆さんにも繰り返し見て楽しんでもらいたい」と苦労した制作の裏側について振り返った。
話題は変わり、シンが搭乗するヴェルキンゲトリクスについて聞かれた赤根監督は「発進からロケットの打ち上げまでのシーンは、残酷な戦闘が始まる前の静けさみたいなものを表現できたかなと。あのシーンはスタッフや制作の方々の賜物です」と語り、「ヴェルキンゲトリクスが森を駆け抜けるシーンは、アニメーションでは珍しい特殊な色使いで描いているので注目して欲しい」と本章の見どころの一つである爆走シーンを熱く語っていた。さらに「ヴェルキンゲトリクスはハイパワーのため燃費が悪くてバッテリーを交換する必要があって、第4章でそういうシーンを入れようと考えていたんですけど尺の都合でなくなりました(笑)」と、残念ながらカットされたヴェルキンゲトリクスの性能に関する設定秘話を明かし、会場内のファンからは驚きの声があがっていた。
思い入れのあるシーンを聞かれ、自ら作画を担当したシンと亡霊たちのシーンをあげた木村さんは「シンが母親の亡霊と会話するシーンは、親子の会話ではなく、彼女が昔の男の話をしたり、女の顔を見せているのかなと自分なりに解釈していた」と制作時のイメージを語った。続いて、シンの表情の変化について聞かれた島村さんは「シンが今まで見せたことのない違った一面、本心が出てしまった表情などを意識しました」とコメント。また、好きなシーンを聞かれ「アレクサンダがレイラをお姫様抱っこするラストシーン」と返答。これには司会進行役を務めていたサンライズ・谷口廣次朗さんから「幸せそうなお姫様抱っこは『コードギアス』では初なんじゃないでしょうか。」と会場内の笑いを誘いながらも、「あれを見た瞬間、これぞ“The AKANE Films”と思いました」と赤根監督の世界観を絶賛した。島村さんと同じシーンがお気に入りと語る井野元さんは「アレクサンダはCGでレイラは作画なので、事前にレイラをCGで作成してから作画を描いてもらったり、優しくレイラを抱き上げるように何度も動きを調整したり手間の掛かるシーンでした」と語った。
最後に登壇者から熱いメッセージが観客へ送られた。井野元さんは「第4章は非常にテンポが良くて作り手も満足できる仕上がりになっている作品です。最終章も楽しみに待って頂けると嬉しいです」。島村さんは「最初から見返して頂くと、アキトの表情の変化していることが分かるように描いています。最後まで楽しみにしていてください」。木村さんは「最終章の予告編で、レイラがアキトのおさげを手に持っている姿があって、あの画が凄く意味深でどんな最終章になるのか私自身も楽しみにしています」。赤根監督は「ラストに向けてスタッフ一同頑張っているのでもうしばらくお待ちください。そして応援して頂けると嬉しい限りです」とトークショーを締め括った。
7月4日(土)上映開始になります『コードギアス 亡国のアキト 第4章 憎しみの記憶から』におきまして、監督の赤根和樹氏、キャラクターデザインの木村貴宏氏、アニメ制作スタッフによる、上映後イベントの実施が決定いたしました。
7月9日(木)は上映後にここでしか聞けない制作の裏話・設定などが飛び出すかもしれないトークショー付上映会、7月16日(木)はスタッフトークショーとは一味違った内容を実際に映画をご鑑賞いただきながらお楽しみいただける生コメンタリー付上映会を実施いたします。
さらに、来場者特典として、9日(木)のトークショー付上映会ではアキト・シン・アシュレイ、16日(木)の生コメンタリー付上映会ではリョウ・アヤノ・ユキヤの複製原画セットを配布いたします。
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