対談

前編 後編 「ナナリーinワンダーランド」に迷い込んで 前編 福山潤(ルルーシュ・ランペルージ)+名塚佳織(ナナリー・ランペルージ)

―アフレコ台本が届いた時の第一印象を教えてください。

福山 『コードギアス 反逆のルルーシュR2』のDVDが届くと、必ず特典としてFLASHアニメの「BABA劇場」がついていたんですよ。この「BABA劇場」がシュールなギャグでおもしろかったんです。だから、当時から「もっと長いものを見たいですね」「声をつけて作りましょうよ」なんて話は出ていて。それで今回、「BABA劇場」の馬場(誠)さんが監督なわけですが、正直言って「時間が長い」とか「声がついてる」とかいうレベルを超えて、ものすごくパワーアップしていて驚きました。ここまでサービス精神全開かと(笑)。 名塚 そうですよね(笑) 福山 ですから台本を読んだときの第一印象をいうと「何を考えているんだ」ですよ(笑)。 名塚 私も台本を読ませていただいて、あまりに楽し過ぎる内容で「これでいいのかしら」「大丈夫かしら」……って思いました(笑)。 福山 僕ら『コードギアス』の新作ということでアフレコをするのは、『R2』の最終回以来なんですよ。それがものすごい斜め上のこの内容ですからね。

―今回はナナリーが事実上の主役です

名塚 個性的なキャラクターのみなさんが次々現れて翻弄される役回りではあるんですが、ここへきてナナリーの新境地が見えたかな、と(笑)。いろいろめちゃくちゃなことを話しかけられるんですけれど、ナナリー、意外と“流し”上手で、さらっとかわしているんです。天然ぽいといえば天然ぽいんですが、いい意味で前向きでどんどん前に向かって進んでいく子なんだな、と新たな発見がありました。 福山 『ナナリーinワンダーランド』のナナリーは、もはやルルーシュの手助けいらないですよ(笑)。 名塚 予想以上にたくましいコでした(笑)。でも、あまりツッコミっぽくなったりせずに。あくまでもナナリーがしゃべっているからこそおもしろくなる、みたいなところを狙いたいなとは思いました。テンぱっている時も、ナナリーらしいアタフタ具合で、ギャグを落とすところもあまり落としすぎず、フワっとした調子で(笑)お芝居しています。育ちがいいので、スルーするにしても、いやみのない流し方というか。

―福山さんは語り手ということで、非常にセリフが多かったですよね。

福山 そうなんです。それは確かに大変ではあったんですが、今回、僕は語り手なのでシュールの世界観の中に入っていないんですよ。みんなでアフレコしているのに、僕だけポツンと別世界にいるみたいで。そこは寂しかった(笑) 名塚 でも、たいへんな長ゼリフは多かったですよね。 福山 長いセリフのもそうなんですけれど、そいもそも本来わりと早口のルルーシュが「絵本の読み聞かせをしているのでゆっくり喋る」ということがなかなか想像できなくて、そこが難しかったですね。ただ、それ以上に難しかったのは、ルルーシュは今回、ウケをとりに行ってはいけないっていうことでしたね。まわりがあれだけ楽しそうなことをやっているのに、そこはつらかったです。 名塚 そうだったんだ(笑)

(後編に続く)