全4幕にて2024年5月より毎月連続で劇場上映中の「コードギアス」シリーズ最新作『コードギアス 奪還のロゼ』。最終幕の大ヒットを記念して2024年8月26日(月)、新宿バルト9にて『コードギアス 奪還のロゼ』最終幕スペシャルトークパーティーが開催された。本編上映後のトークショーには本イベントのMCを務めた福山潤さん、大橋誉志光監督、キャラクターデザインの島村秀一さん、プロデューサーの谷口廣次朗さんが登壇。MCの福山さん独自の視点で様々な話題が飛び出したイベントの模様をレポートする。
マレーシアで開催されたイベントに参加し、今朝帰国したばかりの大橋監督と谷口プロデューサー。コスプレをした現地のファンの方のシャイな反応、「コードギアス」シリーズの人気など、ここでしか聞けない新鮮な話題を届け、早速会場を盛り上げた。まずは無事に最終幕まで公開された現在の心境について、大橋監督は「ホッとしています。下手するとこのまま作品が中止になるんじゃないかという状況もありまして。よく着陸できたもんだな」と制作時の苦労を少しだけ明かしてくれた。島村さんは「第1幕のスタッフトークイベントから出させて頂いていますが、どんどん人が増えていったのでホッとしました。最後は沢山の方に観て頂けるようになって、ありがとうございます」と真摯な語り口で観客に感謝を述べ、客席からも拍手が起こった。福山さんと20年近く仕事を続けてきた谷口プロデューサーは、「『反逆のルルーシュ』が終わった後に谷口悟朗さんと大河内一楼さんが、『コードギアス』というコンテンツは10年以上続けていきたいと言ってくれたんですが、僕の周りの人がどんどん辞めていってしまって(笑)。約束したからには続けていこうとやってきた結果、この『奪還のロゼ』まで辿り着いた」と感慨深くシリーズの歩みを振り返った。一方、谷口プロデューサーから振られた福山さんは「無責任に皆さんに聞ける立場になる日を僕は待っていたんですよ(笑)」と喜びを爆発させ、「『奪還のロゼ』が発表された時に『やっと来た!』となりました(笑)」と熱く想いを語った。
ストーリーについて聞かれた谷口プロデューサーは、「企画をプランニングした段階で12話まで作ったんですけど、企画を立ち上げ直した時にシナリオに疑問を感じて。監督たちと相談しながら改めて作り直して今の形に落ち着きました」と回答。さらに「一番大きいのはノーランド(・フォン・リューネベルク)。強大な敵の存在を作ったが故にロゼたちだけだとどうにもならないとなって、過去作のキャラクターたちが登場してくれています」と続けた。福山さんは「『コードギアス』を円環として繋いでくれるような作品になった。作っている訳じゃないのによく分からない達成感を感じました」といち視聴者としての感想を語った。その後は、谷口監督が『反逆のルルーシュ』の時に語っていた『火の鳥』のモチーフからシナリオのヒントを得た話など、貴重な裏話が語られた。
ここからはキャラクターにフォーカスを当てて話を広げていく。スクリーンに木村(貴宏)さんが描かれた初公開となるL.L.とC.C.のキャラクター設定のラフ、続けてL.L.の黒と白の衣装案が映し出される。福山さんが気になったのは楽しそうにしているワイヴァン隊だったそうで、「彼らの戦いが終わった感じがして。僕はまだ彷徨っているのに(笑)」と本音を明かし、会場は大きな笑いに包まれた。過去作のキャラクターの演出について「出し過ぎちゃダメだし、足りないと欲求不満が残ってしまうので、匙加減をずっと考えていました」と大橋監督。L.L.とC.C.の衣装について話題が飛ぶと、「これで溶け込んでいると思っているんですね。未だにズレてんのか(笑)」と福山さんが指摘し、再び場内が爆笑に包まれる場面も。福山さんが"ギアス"の描き方が呪いから誓いのようなものに変化していたことを指摘すると、谷口プロデューサーは「ノーランドを倒すためにはサクヤがアッシュにギアスをかける必要があった」と答え、「『反逆のルルーシュ』の時は力を持たなかったルルーシュが世界をひっくり返すためにギアスが必要だった。今回はギアスを使う理由についても考え、シナリオも色々なパターンを考えました」とギアスの扱いの難しさについて語った。さらにその後も、シャルル(・ジ・ブリタニア)とノーランドとのリンクなど、『コードギアス』をよく知る福山さん独自の視点で『奪還のロゼ』を考察していき、トークはさらにヒートアップ! 今までのキャラクターが出てこない全く新しい『コードギアス』を観てみたいという福山さんの願望に、谷口プロデューサーが「30年、40年続けていきたい欲は出てきています」と返し、今後への期待に観客からも拍手が巻き起こった。
イベントも終わりに近づき、大橋監督の希望で観客席も含めて自撮りを試みることに。最終的にはスタッフに監督のスマートフォンを渡して無事に記念撮影完了! 最後は観客に一言ずつメッセージを伝えていく。「(写真は)大事な思い出になりました。ありがとうございます」と大橋監督。「5回のトークイベント全てに出させて頂きありがとうございました。引き続き『奪還のロゼ』をよろしくお願いします」と島村さん。「2年後の2026年は『コードギアス』シリーズが20周年を迎えます。せめて後20年は続けて行きたいなと思っております。ぜひ『コードギアス』シリーズ、『奪還のロゼ』への応援をお願いします」と谷口プロデューサー。最後は、福山さんが「一つのサーガが完結いたしました。次の作品を新しい方々で作り上げる、シリーズを生み出していくことの重要性を感じております。今日だけでなく2度3度とまた足を運んで頂けたら幸いです。今後とも『コードギアス』、そして『奪還のロゼ』をよろしくお願いします」と締め、イベントは幕を閉じた。
『コードギアス 奪還のロゼ』は、ディズニープラスで世界独占配信中だ。トークショーで気になった部分は、ぜひ配信でチェックしてみよう。