全4幕にて2024年5月より毎月連続で劇場上映中の「コードギアス」シリーズ最新作『コードギアス 奪還のロゼ』。第3幕の上映が間近に迫る2024年6月25日（月）、新宿バルト9にて『コードギアス 奪還のロゼ』第2幕スタッフトークイベントつき上映が開催された。本編上映後のトークショーには大橋誉志光監督、キャラクターデザインの島村秀一さん、CGI監督の篠田周二さん（武右ェ門）、リギング・CGアニメーションチーフの笠原季生さん（武右ェ門）、ルックデブ・レンダリングチーフの七五三慶紀さん（武右ェ門）が登壇。貴重な資料と共にここでしか聞けない話がいくつも飛び出したイベントの模様をレポートする。

最初のトークテーマは「ロゼとサクヤの変装マジック!?とパイロットスーツの秘密」。スクリーンにロゼとサクヤのキャラクター資料が映し出され、早速島村さんにお話を伺っていく。細かな指示が書かれている資料を見ながら「第1幕の作業を始めた段階で木村（貴宏）さんと相談をして、木村さんからこの設定が送られてきました」と説明する島村さん。さらに、「（ロゼは）少年ではあるけれど、内側にはどこか女性らしさみたいなものを残しつつ。これから回を追う毎に変化が出てくると思うので、その辺を気にして観て頂けると嬉しいです」と語った。その後もサクヤとサクラの違いなど、作画や演出の面から興味深い話が展開していった。続いて、木村さんがデザインしたパイロットスーツの資料がスクリーンに映し出される。ジャケットのデザインはキャラクター毎に微妙に異なるため描き分けが難しかったそうで、「共通の部分としては背中にある腰のアタッチメント。シーターにカチッとハマるようになっています」と大橋監督が補足。さらに、女性のパイロットスーツやインカムの色の違いなど、本邦初公開となる資料を見ながら、貴重な話が次々と語られていった。

次のトークテーマは「地味な裏設定!?ロゼとアッシュのトレーラー生活」。トレーラーの資料がスクリーンに表示され、寝る場所について聞かれた大橋監督は、「基本的にアッシュは運転席で寝ています。ロゼは運転席の上のスペースが本来ベッドだったんですけど、父親の件を聞いてからアッシュが下にいるのが耐えられなくなったので、第1幕ではリビングの椅子で寝ています」と2人の日常について回答。寝ているシーンは本編では描かれていないが、想定されるアッシュの寝姿について、「何時間も直立不動の姿勢で寝続ける知り合いのアニメーターがいて、その人をモデルにしています（笑）」と大橋監督の口から驚きの裏話も明かされた。一方のロゼについては「たぶん寝相は悪いです」と語った。

続いてのトークテーマは「正解はどこにある!?CGアニメーションはトライ＆エラーの繰り返し！」。Zi-アルテミスの変形、A・B・C・Dの4パターンが表示され、本編で採用されたものはどれかと投げかけられると、客席からはCという反応が一番多く見られた。篠田さんから発表された正解は「B」、難問を見事当てた方々に拍手が送られ、大橋監督は「なるべくコックピットの動きが少ないやつを選んだ記憶があります」と語った。続いて、Zi-オルテギアの合体ではA・Bの2パターンが表示され、こちらは多くの方が正解の「B」で挙手。合体について聞かれた篠田さんは「やっぱりメカは合体してほしい。それでしか取れない栄養素があるじゃないですか（笑）」と続け、場内は共感の笑いに包まれた。さらに、スクリーンに画コンテ、3Dレイアウト、アニメーション、本編映像が映し出され、「僕らはコンテを頂いて、それを基にCGで設計します。監督とやり取りをしてプランを決めていくのが3Dレイアウト。それを動きの完成系として詰めていくのがアニメーション。レンダリングと撮影をしたのが本編映像です」と作業の工程を解説する篠田さん。続けて「笠原が主にレイアウトからアニメーション。七五三が完成したデータを画にしていく役割分担でやっています。そして、最後は撮影監督の千葉（洋之）さんにデータを渡して、格好良い画になっています」とCG作業の流れを簡単に説明した。笠原さんはナラとアッシュの戦闘シーンでこだわった部分について、「互いにナイトメアフレームの操縦は達人級。徐々にテンションが上がっていき、後半の方は画と画の間が飛んでしまっているように見えるくらい派手な戦闘シーンをと監督からオーダーされたので、上手く再現できたかなと思っています」と語った。さらに、大橋監督が「アポロは曲線的で円運動、対するナラは直線的で垂直的な運動。次は結構キャサリンが頑張ると思うので…」と付け加え、第3幕以降のバトルへの期待も大きく高まった。

最後のトークテーマは「CGモデルは見た目が大事！」。蛍雪の左右が異なる比較画像が数枚スクリーンに表示され、「左側がCGから出たそのままの画像。右側がCGの要素だけでは作れないハイライトや影を入れ込んで合成したものです」と七五三さんが解説。メカニックデザインの重田（智）さんの影響を聞かれると、「画集を買って、ロボットアニメの影つけやハイライトを勉強して、アウトプットしたのがこれです」と語る七五三さん。さらに、篠田さんが「ちゃんと言っておかないといけないんですけど、これは武右ェ門だからできました」と自社の技術を誇らしげに語り、客席から盛大な拍手が送られる一幕も。

イベントの最後は観客に一言ずつメッセージを伝えていく。「CGがCGに見えないように一コマ一コマ丁寧に作っています。第3幕、最終幕と続けて観て頂けたら嬉しいです」と七五三さん。「武右ェ門とバンナムがエンゲージするとこんな作品になりました（笑）。第3幕と最終幕、引き続きよろしくお願いします」と笠原さん。「第3幕のPVを観た時にあまりメカのカットが入っていなかったんですけど、実際はめちゃくちゃあるので楽しみにしてください」と篠田さん。「今後もこういう会ができたらいいなと思っています。第3幕から重い展開にはなっていってしまいますが、すごく面白いので観てください」と島村さん。最後は「第3幕は重い展開とは別に、禁断のポロリもあります。周りに止められたんですけど、ゴリ押ししたので、見逃さないでください」と大橋監督が締め、イベントは幕を閉じた。

『コードギアス 奪還のロゼ』第2幕となる4～6話は、ディズニープラスで世界独占配信中だ。スタッフトークで気になった部分は、ぜひ配信でチェックしてみよう。