第二世代ナイトメアフレームの開発成果を受けて、より具体的に戦闘用兵器の実験機として開発されたのが第三世代ナイトメアフレームである。この世代より、戦闘作戦行動を可能とする機動力の獲得と兵器を保持した上での運用を可能とすることが、具体的な開発目標として定められたのである。


第三世代ナイトメアフレームを代表する機体としては「ガニメデ」が広く知られている。ガニメデは、アッシュフォード財団の主導の下、開発が行われた機体である。
そのパイロットは騎士候として取り上げられ、ブリタニア皇帝の皇妃の一人となった。だがその後、このパイロットの死亡に伴い、ナイトメアフレーム開発におけるアッシュフォード財団の発言は低下。同財団に近い研究開発者の一線からのリタイアという事態も招くことになった。
この一連の事件は、ナイトメアフレームという新たな利権に対して、アッシュフォード財団の勢力が拡大することを牽制する、政治的暗闘の結果という憶測も流れた。だが、その真実は未だ明らかではない。


さらに第三世代ナイトメアフレームの研究は、将来的にサクラダイトの戦略的価値がさらに上昇することを決定づけた。
なぜなら第三世代ナイトメアフレームの性能を満たす出力を得るには、サクラダイトの使用量が多いコアルミナスを使うことが不可欠だったからだ。


サクラダイトの安定供給と、ナイトメアフレームを中心とする新世代の軍隊の編成。ニワトリと卵の関係のようなこの二つの課題が、その後のブリタニア帝国の政治・外交においいて、欠かせない要素としてクローズアップされていく。
第三世代ナイトメアフレームは、技術開発だけでなく政治的側面においても、その後のナイトメアフレームの原点なのである。


 
 


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