第五世代のサザーランド、グロースターで、ナイトメアフレームの技術は一定の完成を見た、といってもいいだろう。そのためここまで急速な発展を見せていたナイトメフレーム開発は、踊り場状態に陥ることになった。


新たなブレイクスルーを求めて、さまざまな技術的トライアルを盛り込んだ機体が開発されたが、それらはいずれも具体的な成果としてまとまることはなかった。二足歩行兵器としてのさらなる可能性を模索した時代、といってもいいだろう。そのためこれらの機体群は、第六世代として具体的にくくられて呼ばれることはなかった。“第六世代”が「不在の世代」である所以である。



そのような踊り場状態を突破した機体が、第七世代のランスロットである。開発を行ったのは、ナイトメアフレーム開発におけるキーパーソンの一人が勤務する特別派遣嚮導技術部。OS、機体の素材など、第一〜第五世代(第六世代)と一線を画す新発想で構築されている。
一番の違いは、サクラダイトの使用量の差。ナイトメアフレームの動力源として使われているユグドラシルドライブ(ナイトメアフレームの動力源)の核「コアルミナス」に、これまでにないほどの量のサクラダイトを使用。圧倒的なパワーを引き出すことに成功した。同機が保有するMSV、電磁シールドといった装備は、この大出力に支えられて可能となったものである。


また、機体の随所にサクラダイトが使われており、こちらは同機保有のヴァリス(手持ちライフル、Variable Ammunition Repulsion Impact Spitfire)の直撃に耐えることを目標に、強度を設定されているという。このような飛躍的な高性能化は、逆に汎用機・量産機の枠を飛び越えたものであり、第七世代は現時点でランスロット1機しか存在しないという状態となってしまった。


今後のナイトメアフレーム開発においてはポイントは二つある。  一つは、現時点で唯一無二である第七世代の技術が、どのように安価に広く量産機へと反映されていくかという点。
もう一つは、不在の“第六世代”で試された多様なトライアルが、ランスロット以外の「第七世代」の可能性をいかに開くかという点。紅蓮弐式などは投入された技術から考えて、この「もう一つの第七世代」に相当する機体といえる。

 
 


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