歴史を変える発明の多くがそうであるように、ナイトメアフレームという兵器の開発もまた、
非常に地味なところからの出発であった。
  周知の通りナイトメアフレームの原点は「極限環境におけるサバイバルコクピット構想」である。これはその名前の通り、戦車などのコクピット・ブロックにロケットモーターを装備し、非常時に優秀な搭乗員をいち早く脱出させるシステムの研究である。その過程でさらなるサバイバリティを求めた結果、踏破性に優れた二本の脚をコクピットに装備するという発想が生まれた。


かくして「歩くコクピット」の研究、開発、生産が行われ、これが後の「ナイトメアフレーム」へと続いていくことになる。
 
ただし当時搭載できるエナジーフィラーの容量には限度があり、あくまで非常用装備に毛が生えた程度の時間しか行動することができなかった。
コクピットに脚がついただけのこの時期のものを現在では事後的に「第一世代ナイトメアフレーム」と分類している。


しかし、どうして二脚が選択されたのか。
それは、内蔵スペースの問題である。コクピット・ブロックは通常戦車等に内蔵されているため、脚を収納するスペースを確保するには限界があった。



そのため、より安定度の高い四脚以上の多脚というアイデアを採用することはできなかったのである。
そして二脚であったからこそ「ナイトメアフレーム」は、人型兵器として完成する道をその後歩むことになるのである。



 


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